石と生きる Living with Stone
石は、火山活動や地殻変動の中で数千万年の時間の層を内包しています。その密度、色、肌理は産地によって異なり、自然が刻んだ唯一無二の風合いを持ちます。
建築においては、基礎・構造材から装飾材まで幅広く用いられ、近年は環境に負荷をかけないローカルマテリアルとして注目されています。石を扱うという行為は、自然の力を借り、共存する術を知ることに他なりません。
青みがかった美しい大島石は、国内でも特に高く評価される石材の一つです。細やかな粒子と均質な質感を持ち、耐久性や磨耗性にも優れていることから、建築や記念碑などに広く使われています。磨かれた表面の艶やかさは、年月を経ても色あせることなく、静かな存在感を放ちます。人の手によって切り出され、磨かれ、組まれることで、石は再び新たな時間を刻みはじめます。それは単に硬い素材ではなく、大地の記憶を静かに語る存在でもあります。